みなさんの職場には、Slack、Teamsなどのチャットツールになると、レスポンスが遅かったり、質問に対して回答できなくなる上司はいませんか?例えば私は上司に複数質問するとき、以下のようなフォーマットで質問することが多いです。
①山口百恵のデビュー年はいつですか?
②山口百恵と中森明菜だと、山口百恵のほうがデビューが先と認識していますが合っていますか?
③上記の②が正しい場合、中森明菜は山口百恵から何かしら影響を受けていると考えているのですが、認識合っていますか?
これに対して、チャットツールに不慣れな上司はこう返します。
百恵ちゃんのほうがデビューが先だよ、百恵ちゃんは昭和48年デビュー。明菜は花の82年組。
皆さんも上のようなやり取りをされた経験、あると思うんですよね。本当に許せません。私は質問①、質問②、質問③に対する回答①、回答②、回答③が欲しいのです。フォーマットが自分と違うのはしょうがないです。むしろ自分の質問フォーマットに合わせて回答しろ、なんてエゴだと思うのです。そこまで傲慢ではありません。ただ、質問③に関しては回答すらしていないじゃないか。二人ともツッパリを歌っていたよ、明菜ちゃんはスタ誕で夢先案内人を歌っていたよ、そういう答えがほしいんだぞ、と思うのです。わざわざ気を遣ってYesかNoかで答えられるように質問した苦労も、デジタルイミグラントの前では水泡に帰すのです。
しかし、現代ではデジタルネイティブであることを笠に着る私たちもいずれ、電脳化の進む近未来、一億総サイボーグ社会をときめく落合南長崎ギャル達※にオールド・ファッションの烙印を押されるのでは、と危惧しています。
※近未来では原宿や渋谷はすっかり中高年の街となり、大江戸線の落合南長崎駅だけが若者の街となっていると想像します。根拠はありません。
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近未来では電話、チャットツールはすっかり廃れ、テレパシーによるコミュニケーションが主流になっているのでは、と想像します。テレパシーツールは会話形式に留まらず、記憶や経験など、体験そのものを視覚、聴覚的に共有するストーリー機能「ココロポスト」を搭載し、こりゃ便利とうっかり、初めてYoutubeで夜ヒットのDEISREを見た時の衝撃を共有しようとすれば、うっかりエモーショナル・パケット通信量が毎月の平均使用容量を大幅に超えてしまいます。今月は普段接種しているフレーバー付き栄養カプセルと人工光合成サプリを諦め、ドラッグストアで購入したごつ盛りのコーンみそ味で給料日まで凌ぐ羽目になるでしょう。ごつ盛りが持つ時代を選ばない魅力だけが、哀れな老人Aの疎外感を慰めてくれるのです。
テレパシー機能はいまだ嗅覚情報を共有できるまでに技術的発展を達成しておらず、大切な思い出にまとった加齢臭が落合南長崎ギャルに届くことはない事実だけが、唯一の救いと言えるでしょう。
最近の若者はLINEではなくインスタグラムを交換すると聞いたことがありますが、もうこの時点で私は時流に乗れておりません。いつかジジイになったとき、酒場で意気投合した平成ポップ好きで電晴※生まれの女の子から、一体何を交換すればよいのでしょうか。
テレパシー・エンドポイント(略してエンポ)を交換すれば、私がふるさとで馴染んだ里山、日本の原風景を脳内に直接共有することはできるのに、陰で「エンポ聞くのってキモイよね~」なんて会話がされていたら、、、
※電晴:令和の次の元号。電光石火のごとく晴れやかな時代、といったニュアンスが込められていることでしょう。存在しない中国の家電メーカーのような雰囲気を漂わせています。
そんなことを考えながらバタコに火をつけます。タバコは人体に悪影響があるので、今も粛々と私の寿命を縮めています。本来なら健康優良児たる私は140歳まで生きることが決まっています。しかし、家族も友達もみんなくたばってしまった西暦2165年の未来世紀日本で孤独を感じながら生き続けるくらいなら、ほどよく寿命を削る作業も必要なんじゃないかな、と不謹慎な思いに駆られます。あるいは、手元のライターから出るちっぽけな火炎ではなく、宇宙船地球号を航行不可にするレベルのメテオストライクが、私の個人的な憂鬱ごと吹き飛ばしてくれたらいいのに、、、
今日ご紹介するは工藤静香で「禁断のテレパシー」です。
この曲について話すことは特にありません。