楽曲紹介_青空

皆さんは、この世で一番旨いタバコはピースであるという事実をご存知ですか?
残念ながらタバコの良さは横一列ではなく、明確に優劣が存在します。

ギターケースを背負ってラッキーストライクを吹かす大学生

菓子パンと1Lサイズのブラックコーヒーが入ったポリ袋を片手に死んだ目でメビウスを吸うインフラエンジニア

名前が健太だからかケントを吸っている教頭先生

 様々な愛煙家がこの世には存在しますが、彼らは詰まるところ、個性を出すためにピース以外の銘柄で妥協しているにすぎません。ピースか、ピース以外か。この世のタバコは二種類しか無いのです。銘柄や番号ではなく「すみません、ピース以外で」と伝えたなら、タバコに興味がないコンビニ店員を困らせることなんてないのです。適当にキャメルの色違いを渡してくれるでしょう。ちなみに私はマルボロを吸っています。これ以外に選択肢はありません。

 話は変わりますが昔、フィリピンのセブ島で語学留学をしたことがあります。
 
 東横イン・セブ支店とショッピングモールの一角を借りた英会話教室の往復を繰り返すうちに、気づけば夢の中の自分が英語で話していたくらいには上達しました。学校を卒業する際に先生方から「帰国したら真っ先にTOEICを受けなさい。一番調子がいいときに点数に残すのよ」というありがたいアドヴァイスをいただいたのですが、帰国して、北ウイングを口ずさみながら成田空港の長い連絡通路を渡りきるころにはすっかり忘れてしまいました。
 結果、コールセンターのアルバイトを始め日本語の機微にアンテナをとがらせているうちに、Be動詞もままならない始末となりました。大学入学直後に受けた時の、225点という点数だけが残ったのです。

 いえ、残ったのは積極的に回答ミスをしないと取ることができない、鉛筆を転がした方がマシといえるような点数だけではありません。東横イン・セブ支店と、セブンイレブン・セブ支店で経験した、たくさんの思い出があります。

 例えば、ショッピングモールの入り口を、機関銃を携えて警備する屈強なガードマンが脳裏に焼き付いています。身心ともに修練を積んだガードマンであり、善良な市民に対してむやみに発砲することは考えにくいとは頭ではわかっているのですが、もし仮に、突然この世のすべてがどうでもよくなり、目の前にいる日本人のドタマに一発、眉間でタバコが吸えるようにしてみよう、なんて人生を賭した実験の被検体に私が選ばれたらどうしようと考えてしまうのです。

 第一、機関銃さえ無ければ考える必要のないリスクじゃないですか。私はそういう考えなくてもいい最悪のシナリオはなるべく避けて生きたいと考えるタイプです。泥棒を生きて返すリスクよりも、僕がナイーブになるリスクをフィリピン国民には優先してほしいのです。

 そもそもジェットコースターだって乗りたくないタチです。万にひとつ脱輪したときのことを考えると、私の人生において取る必要のないリスクだなと考えて乗らないようにしています。ほかにもタワーオブテラーが大の苦手で、乗ると必ず体調を崩します。ディズニーシーなら、シンドバッドの冒険と、そこから徒歩数秒の距離にある喫煙所を、ひなが往復してやり過ごしたい人間なのです。

 ピカピカに光った銃で撃ち倒してほしいのは僕の憂鬱であって眉間ではないし、天国へのパスポートをねだる暇があるなら、その銃を質屋に入れて得た金でディズニーランドの年間パスポートを購入したほうがいいんじゃないか。

 私にもっと英語力があれば、あるいはタガログ語が堪能であれば伝えることができるのに、、、

今日ご紹介する昭和ポップスは、ブルーハーツ「青空」です。
この曲について特に話すことはないです。

本名:片野直人
趣味:昭和歌謡、野球、社会科学

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