楽曲紹介_みんな嘘なの

 町中華、なんか流行ってますよね。町中華ってなんなんでしょうね。逆に言うと、町にない中華があるのでしょうか。横浜中華街にあるようなターンテーブルのお店のことかな。あれはガチ中華って言うんでしょうね。敷居が高いから。町中華の大将だってガチでやってると思いますけどね。

 町中華の流行を知らない人がガチ中華と聞いたら、漢民族による王朝のことを想像するかもしれないですね。では、漢民族から見て異民族、例えば女真が建てた金や清は、ガチ中華に対して何になるんでしょうね。思いつかないです。結論、漢民族中心史観は捨てるべきだと感じました。

 町中華って油臭い時ありますよね。頭の中でアブラクサスって呟きます(店内で味を変える時は味変ドリクスってつぶやいたりもします。洋楽ギャグ!)。アブラクサスはカルロス・サンタナのアルバムで有名ですが(邦題:天の守護神)、いったいアブラクサスとはなんなのでしょう。ネットで検索してみると、「善と悪を内包する超越的存在」っていうよくわからん答えが返ってきました。

 善悪といえば、最近、友人の吉田予備校から「お前、倫理観がバグってるところがあるのに、変なところで真面目というか、誠実だよな」って言われました。

 こういうの、本当に嬉しいんですよね。友人から、自分の言動の特徴、癖みたいなものを見破られた時って、快感を覚えます。なんでなんだろう。「自分のことを正しく理解された」という承認欲求の充足からくるのでしょうか。

 吉田予備校はそういう、他人の評価が上手い(解像度がある)という、悪魔的な能力を持っています。たまに「流石に買い被りすぎじゃないか」と思う時があるのですが、あまりお世辞を言う風にも見えないので(酷評する時は酷評している気がする)、私はついつい額面通りに受け取ってしまいます。

 どんなに褒められても、勘繰って正面から受け止められない傾向が強い私に取って、彼は貴重な存在です。

 善悪と友情がテーマの文学といえば。ヘルマン・ヘッセって人を聞いたことありますか。オリックス、西武にいた助っ人外国人選手じゃないですよ。それはエステバン・ヘルマンです。今回話したいのはヘッセさんのところのヘルマンくんです。私も名前だけ知ってたんですが、最近彼の著書「デミアン」を読んでみました。古典に入るんでしょうが、不思議と読みやすかったです。主な出版社が出しているあらすじを紹介します。

岩波文庫:
デミアンは,夢想的でありながら現実的な意志を持ち,輝く星のような霊気と生気を秘める謎めいた青年像である.「人間の使命はおのれにもどることだ」という命題を展開したこの小説は,第一次大戦直後の精神の危機を脱した作者が,世界とおのれ自身との転換期にうちたてたみごとな記念碑というべき名作.

新潮文庫:
ラテン語学校に通う10歳の私、シンクレールは、不良少年ににらまれまいとして言った心にもない嘘によって、不幸な事件を招いてしまう。私をその苦境から救ってくれた友人のデミアンは、明るく正しい父母の世界とは別の、私自身が漠然と憧れていた第二の暗い世界をより印象づけた。主人公シンクレールが、明暗二つの世界を揺れ動きながら、真の自己を求めていく過程を描く。

 で、この本にはとても有名(らしい)な一節があります。

「鳥は卵の中から抜け出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようとする者は、一つの世界を壊さねばならない。」

 いい文ですよね。それはさておき、デミアンの話になるとここばかり取り上げられているんですが、次の一文はあまり知られていません。

「鳥は神に向かって飛んでいく。その神の名はアブラクサスという。」

 ここにきて、アブラクサスが出てきました。そうなんです。「デミアン」って町中華巡りの話なんです。主人公シンクレールの「ここは裏メニューがあって、注文すれば半チャーハンを大盛りにしてくれるんだよ」みたいなセリフがあったりで、19世紀末のドイツにも町中華が存在していたことがわかる、歴史学的にも貴重な文献だったりします。面白いです。みんなも読んでみてね〜(マ❌モ湯)

今日ご紹介する昭和ポップスは越路吹雪「みんな嘘なの」です。この曲について特に話すことはありません。

今年のテーマは、スカッと生きる、です。
最近の悩みは、倫理観が欠けていると言われることが増えたことです。

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