阪神タイガースの球団歌「六甲おろし」ってありますよね。昭和ポップス倶楽部のメンバーのプレゼンでも何度か出てくるので、昭和ポップスラバーの方々にとっては馴染みがあると思います。いろんな方が歌われていますが、若山彰さんのバージョンが一番有名なんでしょうか。ただ今回お話したいのは、かつて阪神タイガースに所属していた助っ人外国人トーマス・オマリーのバージョンです。
オマリーに六甲おろしを歌わせようと考えた人間がいて、それを実行した人間がいて、と考えると関西人のユーモアセンスには一生勝てないな、と思わされます。
でも、この「オマリーの六甲おろし」は大切な含意があります。みんな、オマリーの音程について言及するばかりで、日本語の発音がなかなかどうして丁寧なことに気づいてないのです。彼はアイルランド系アメリカ人ですよ。そう考えると破格のプロナウンシエーションだと思いませんか。
普段、悪いところばかり、引き算で人を見ていませんか?足りない何かを探すんじゃなくて、その人が持っているものを見つけて拾ってあげることが、私たちには大切なんじゃないでしょうか?
四年連続で三割を打ち、首位打者まで取った舶来の安打製造機オマリー。彼は最後、長打力が無いという理由で阪神から放出されます。ここでもそうです。阪神は、オマリーの足りないところばかり目をつけたんです(そもオマリーのOPSは9割前後だったので、実態と認識が異なります)
僕は根に持つタイプなので、年度末の人事考課でさんざ減点方式を喰らった挙句に昇進できなかったことを恨んでいます。会社の飲み会は「調整さん」で出席を取るんですが、一番槍でバツ印をつけて、備考欄に「生活に余裕が無いので欠席します」と書いてやりました。ざまあみやがれ。でも、書いたら書いたで、なんだか悲しい気持ちになりました。
話が会社に対する個人的な愚痴に脱線してしまいました。本題に戻ります。人は引き算で物事を考えてしまうことの証左の一つに、「Twitterの改悪」があります。Twitter、急にタイムラインが読み込めなくなったり、いいねを押しても効かなかったりと、たまに障害が発生しますよね。そういう不具合が起きるたびに、タイムラインはTwitterへの悪口であふれかえります。「Twitterくんさぁ。。。」みたいな感じで。あれがほんっとうに腹立ちます。オタク特有のくん付けが生理的に不快と言うのもありますが、何よりもその精神性です。
みんな、改悪には関心があるのに、良いアップデートには注意がいかないのですよね。気づいて言及する人が全然いないのですよね。タイムラインを遡っていくうちに急に最新のフィードへジャンプしてしまうことに対する文句で溢れかえっても、それが修正され起きなくなった事実に触れる人はいません。これは当たり前のことではないと思うのですよねきっと。Twitterが、Twitter社の純正プログラムだけで製造されているわけではなく、いろんなサードパーティ製のプラグイン、ライブラリが使用されているはずなんです。例えばIOS版であれば開発言語はSwiftを採用しているとのことですが、そのランタイム環境やライブラリをバージョンアップするだけで大変な作業です。Swiftの公式リリース内容から影響内容を洗い出して綿密に調査したうえでアップデートしたとしても、思いがけず影響を受ける場合だってあるんです。そういった課題の一つ一つを、文句にさらされながらTwitterのエンジニアは改修してリリースしているんです。
確かに「今まで考えたこともなかったことが、オプションとしてできるようになった」ということよりも、「今までできたことが、突然できなくなった」という現象の方がインパクトが大きいというのはあると思います。ただ、もうちょっと皆さん改善点を褒めるマインド、良くなったところを見つけ出すアンテナを持ってほしいと思うのですよね。
ここで、僕が最近気づいた「今まで考えたこともなかったことが、オプションとしてできるようになった」ことの一例を紹介したいと思います。掲題にあるように、キャレットブラウジングという技術があります。PCのブラウザアプリを使用しているときに、ページの文章にカーソルを置いて、まるでテキストエディタのように操作できるような仕組みです。私はchromeを使っているんですが、いつのバージョンからか、知らぬ間にデフォルトでこれが有効化されていました。
このキャレットブラウジングの有効化のおかげで、ブラウザを使った作業でマウスを使うことがぐっと減りました。本当に助かってます。文章だけだとイメージしづらいと思うので、試しにWikipediaの記事のフレーズからYoutubeで検索するまでの流れをスクリーンショットにしてみました。
これで、90年代のOVA作品「江口寿史の寿五郎ショウ」の主題歌「平成天下泰平節」を、マウスを使わずにYoutubeで検索することができました。今までだったらマウスを合わせて、対象個所を引いて選択していたのが、不要になりました。
長くなりましたが、引き算思考ばかりではなく、足し算の思考になってほしい、という個人的なメッセージでした。弊社の評価育成部門を担当する、360度評価やらなんやら西洋人が考えた舶来の横文字概念に飛びつく軽薄な連中への、「わけのわからない評価軸で引き算考課するんでなく、僕のいい所を見つけてさっさと出世させろ、気持ちよく仕事をさせろ」というメッセージでした。
愚痴で終わるのも後味が悪いので、80、90年代に発売されたOVAの主題歌を集めたYoutubeのプレイリストを作成したので、ここで共有させてください。キャレットブラウジングでネットサーフィンが快適になったので、このプレイリストも今までよりも時短で作ることができました。ピュアな機能拡張、もっとみんなで褒めていきましょう!