【エッセイ’93】03_ポキチ・ペキチ・パキチ

演劇部にいたころ、発声練習を毎日のようにやっていて気づいたことがある。
マ行は一度口を閉じないと発音できないということだ。
ついでに、バ行とパ行も。

たとえば、これから娘が言うような、
ママ、パパ、ばぶばぶ。
全部、口を閉じないと言えないのだ。
それから私は、自分の名前さえ、2回も口を閉じないと言えない、と気づいて驚愕した。

先日、昭和ポップスのお友達が、マメコという競走馬の馬券をくれた。
名前が似ているから、と。
単勝100円、当たらなかったそうだが……。

それはさておき、そのとき、娘に会いに来てくださったのだが、
私には少し気がかりなことがあった。
娘5ヶ月、人見知りが始まる頃なのか、
この1週間前に遠路はるばる来てくれた両親たち(娘にとっては祖父母)にはずっとギャン泣きしていたので、
人見知りするかな、ということ……。

ところがどっこい。
お友達の一人が娘を抱っこしながら、
水谷麻里「ポキチ・ペキチ・パキチ」を歌うと泣かないではないか。
むしろ、なんかキャッキャしてる。
気づいたらフルコーラス歌い終わっていた。

これ、パ行がウケてるのか?

そういえば、以前、ももちさんに紹介してもらった「ピンポンパン体操」もパ行が頻出。
ずっとポキチペキチパキチ言ってるわけではないけど、
少なからず、パ行の効果はあるんじゃなかろうか。
パ行の一度口を閉じる動きがまねしやすいとか、興味を引くんじゃないだろうか。

毎朝観てる「シ◯ぷしゅ」に「ポキチ・ペキチ・パキチ」を入れてほしいくらいには、
もう少し聞かせてみたいと思う一曲……。
あ、シナぷしゅにもパ行が入ってる!

パ行は、赤ちゃんにウケる確率が高いのかもしれない。
ママ、のほかにパパと言えるようになるくらいには、パ行は赤ちゃんにとって身近な音みたいだ。ということは、「ポキチ・ペキチ・パキチ」って赤ちゃんにとってかなり奥が深いのでは。
と考えている間に、娘は今日も発声練習をしている。
いつかパ行を言えるように。

水谷麻里「ポキチ・ペキチ・パキチ」(1987年)

昭和ポップス倶楽部メンバー。好きなのはガンダムとチョコあ~んぱん。

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