時代を感じる歌詞をゆるーく集めてみた

先日Twitter(※現X)を何気なく見ていたら、いつも投稿を拝見しているアカウントでこんな投稿がされていた。

そうか、最近は若い世代で ダイヤルを回す = 電話をかける というのが結びつかない人も多いんやなと思い、そこでふと 言い回しが昭和 な歌詞は他にもどのようなものがあるのか気になってきた。
なので今回はそれらをゆるーくまとめてみた。
なお、今回は以下のような例は除外している。

  • 固有名詞系
    • 実在する有名人
      • 例)ピンクレディー「サウスポー」など
    • 車種や自動車メーカー
      • 例)小林旭「自動車ショー歌」など
    • 廃止された交通機関
      • 例)狩人「あずさ2号」など
  • 年号系
    • 西暦
      • 例)本田美奈子.「1986年のマリリン」など
    • 元号
      • 例)村田英雄 坂本冬美「平成5・5音頭」など

単語編

ダイヤル式電話

やはり最初に思い浮かべるのは、冒頭でも触れたようなダイヤル式電話だろう。
中の人の世代でも周りでは実物を見たことがない、あっても祖父母の家でという人が多かった。
(もちろん中の人自身も見たことも触ったこともない)
しかし、昭和の名曲にはそんなダイヤル式電話が登場する曲も多い。

ダイヤル回して 手を止めた

小林明子「恋におちて」(’85年)

指のふるえをおさえつつ 僕はダイヤル回したよ

フィンガー5「恋のダイヤル6700」(’73年)

まわすダイヤル177 天気予報に相槌を打つ

野口五郎「ダイヤル177」(’81年)

など、挙げていけばキリがない。
また電話系でいうと公衆電話電話ボックス(田原俊彦「ハッとして!Good」など)やポケベル(国武万里「ポケベルが鳴らなくて」など)なども時代を感じられる。

ダイヤル式テレビ

さて次もダイヤル系だが、今度はチャンネル切替えがダイヤル式になっているテレビである。
これも中の人自身は見たことはない。
今じゃリモコンが当たり前に付属する薄型テレビがほとんどだが、そのような古のテレビが登場するのはどんな曲があるだろうか。

チャンネルひねれば お祭り騒ぎ不満もevery day

チェッカーズ「今夜はCまでRock’n Roll」(’84年)

テレビといえば、最近は 若者のテレビ離れ なんて言われている時代でテレビよりもサブスクやYouTube、TikTokなどを観る若者も多いとよく聞く。
なのでもしこの曲が現代にリリースされていたら、「♪スマホ画面を下から上にスワイプさせたらお祭り騒ぎ不満もevery day」となっていたのだろうか。

・・・リリースされたのが昭和で良かった。

ちなみにテレビといえば、2000年代頃を最後に見なくなったブラウン管(プリンセス プリンセス「Diamonds」など)も今や時代を感じる代物と言えよう。

レコード

続いて昭和を代表するアイテムとして、レコードが挙げられる。
趣味の関係上、レコードは中の人も見たことはあるが(というか所持しているが)、 レトロアイテム としてでなく 日常のアイテム として出てくる曲も存在する。
有名な曲だと

夜というのに派手なレコードかけて 朝までふざけよう ワンマンショーで

沢田研二「勝手にしやがれ」(’77年)

が挙げられる。
ちなみにメディア媒体系だと他にもカセットテープ(杉山清貴&オメガトライブ「ROUTE134」など)やレーザーディスク(吉幾三「俺ら東京さ行ぐだ」など)も挙げられる。

ディスコ

次に昭和後期の娯楽施設として、ディスコが挙げられる。
今やクラブなんて呼ばれていて、中の人と正反対なタイプのパリピな人間がよく集う場所となっている。
(もちろんチー牛陰キャな中の人が行ったことなんてあるわけがない)
ディスコといえばどんな曲に登場するのだろうか。

夜は夜な夜な ディスコでダンシング

アラジン「完全無欠のロックンローラー」(’81年)

Dreaming 素敵な男性(ひと)と Dreaming 行ったディスコで

内田順子「ボディーだけレディー」(’88年)

もし生まれる前の80年代に戻れるなら、ダボダボの原色スーツでも羽織ってディスコに行ってみたい。
ちなみに娯楽施設系なら他にもキャバレー(海援隊「キャバレーナイト・ブルース」など)やナイトクラブ(フランク永井・松尾和子「東京ナイトクラブ」など)も挙げられる。

他にも駅の掲示板ロケット(写真入れの方)などいろいろありそうだが、キリがなくなるので単語編についてはここまでとする。

フレーズ編

次はよくよく考えると今じゃありえない状況だよなというフレーズをいくつかピックアップしてみる。

君のいない時間にかけた電話 なぜか言えない

1986オメガトライブ「君は1000%」(’86年)

まずはこのフレーズ。
一見すると特に何の違和感も覚えない。
しかし勘のいいデジタルネイティブ世代は次のように思うかもしれない。
「もしかして相手の女性はスマホのバッテリーが切れてたの?」
そう、現代は連絡手段を肌身離さず持っているのが当たり前となっている。
スマホなのはもちろん、電話でなくLINE通話、さらには最近の中高生に至ってはLINEでなくインスタの通話でやり取りするのが主流となっている。
そして位置共有SNSや決められた時間内に写真をシェアしないといけないSNSなども普及しているように、よほど相手が仕事中だったり気づかなかったりしない限りは常に連絡が取れる時代となっている。

一方でこの曲がリリースされた80年代半ばはどうだろうか。
この頃はまだほとんどの人間が固定電話を使っていた時代で、留守番電話サービスが始まるか始まらないかの頃。
先ほどチラッと言及した駅の掲示板も似たようなものだが、電話かけた相手が留守だったりした時など情報伝達に行き違いがよく生じていた時代でもある。
逆にその時の切なさやもどかしさなどの感情もラブソングやラブストーリーなどの題材にできたりしたのだろう。

動きはじめた汽車に ひとり飛び乗った

ちあきなおみ「喝采」(’72年)

次にこのフレーズ。
よくよく考えると、汽車が動いている状態で飛び乗るなんて、少なくとも現代では不可能である。
そもそも現代では汽車が完全に停まってからでないとドアが開かないし、ホームドアが設置されている駅も最近は増えている。
もしそれでも動いている状態で乗ろうなんてしたら、たちまちスマホで撮られSNSで拡散され、炎上しかねない。
しかし昭和の時代はドアが手動で開くタイプの車両も走っていたらしく、走行中でも開けることはできたらしい・・・。
以下は’86年頃の映像だが、確かに完全に停まっている状態でもないのに飛び乗る乗客が見受けられる。

このように飛び乗ることも可能だったことから、その行為を用いて例えば急いでいるとか早くその場から離れたいなどという心情描写にも使われていたのかもしれない。

最後に

以上のように探してみるといろいろ出てきた。
当時はそれらが当たり前だったが、今となっては珍しい単語やフレーズとなっているのをみて面白いと感じた。
ところで10年くらい前にとある曲を耳にして「最近は歌詞の中にLINEだのFacebookだの出てくるのか」と思ったことがあったが、それもやがては時代を感じる曲になるのだろうか。
しかし歌詞の言い回しが古くなろうとも、名曲なのは変わらない。

以上、最後まで読んでくださりありがとうございます。m(_ _)m
もし他にもこんな単語やフレーズが使われた歌詞があるよという方がいましたら、ぜひコメントまで!!

(※レコジャ画像はほとんどはdiscogsから、一部Amazonからの引用です)

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4件のコメント

  1. おもしろい……!!
    最近のU.K.さんのTwitterの投稿を拝見してたのでより面白く読めました!

    『受験生ブルース』『水色の街』『波乗りパイレーツ』とかに出てくる「アベック」っていう言葉も昔っぽいですね笑

    千昌夫『味噌汁の詩』の間奏の「金髪?きん…金髪だけはいいじゃないべかねえ」っていうセリフの意味が分かる人も減ってきてる気がします笑

    1. ありがとうございます!
      いつもプレゼンやTwitter投稿で楽しませてくださるももちさんにそう仰っていただけるとは、嬉しいです!

      他の例についてもありがとうございます!
      たしかにアベックも今じゃ聞かない(テニスとかでペアを指す時に使うくらい)ですし、金髪も今じゃ当たり前ですしね…
      こういったものを見つけていくと面白いですね!

  2. わわU.K.さんすばらしいテーマ!
    86年まで電車に飛び乗れたの知らず、勉強になりました。駆け込み乗車のスリルがすごそう。。

    個人的にはフレーズ×電話ネタで中島みゆきの「悪女」が思い浮かびました。

    >マリコの部屋へ 電話をかけて
    >男と遊んでる芝居 続けてきたけれど

    とか
    電話が話し中になっていて繋がらない=自分以外の誰かと電話をしている・・・浮気?
    と思わせるために友達に長電話をもちかける、という

    切ない・・・
    すれ違いが生まれやすいのがいいですよね。

    1. ありがとうございます!

      昔は電車に飛び乗ることができたというのも驚きですよね…!
      大きい事故がなかった(実際にはあった?)のが凄いですね

      中島みゆきの「悪女」のそのフレーズも確かに通信手段が固定電話からの通話のみという時代ならではですね!
      このような不便さが物語を描くのに一役買ってるというのも良いですよね…

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