カバー曲と原曲の違いを楽しもう!〜高田みづえさん「私はピアノ」〜

 皆さんは、昭和ポップスの良さをどのように知りましたか?

 「歌っている歌手の方の世界観に惚れた」、「親御さんが聴いていて、その流れで一緒に聴いていた」、「最近のアイドルや歌手の方が歌っていて良いなと思ったら、実は原曲は昭和の曲だった」等々、人それぞれでしょう。

 今回は、その歌手の方が歌っていて良いなと思って調べたら、原曲は違う方が歌っていた、いわゆるカバー曲を楽しむという体で進めさせていただきます。

 今回は、高田みづえさんの代表曲の1つである「私はピアノ」についてご紹介させていただきます。

高田みづえさんとは?

 高田みづえさんは、1960(昭和35年)鹿児島県出身。

 1976(昭和51年)にフジテレビのオーディション番組『君こそスターだ!』で第18代グランドチャンピオンとなり、翌1977(昭和52年)に「硝子坂」でアイドル歌手としてデビューし、同年末の『第28回NHK紅白歌合戦』に出場します。

 歌手の他にもテレビタレントとしても活躍し、お茶の間でも人気を博した中、1985(昭和60年2月、大相撲の人気力士で当時大関であった、若嶋津六夫と婚約を発表し、芸能界を引退しました。

 華々しいデビューを飾った高田みづえさんでしたが、その後の2〜3年はコンスタントにオリコン20位〜10位にランクインするものの、いわゆる賞レースやメガヒットとは縁がありませんでした。そんな中、1980(昭和55年)にリリースし、同年の『第32回NHK紅白歌合戦』に出場したのが、「私はピアノ」でした。

「私はピアノ」はあの“国民的バンド”のカバー曲

 高田みづえさんの代表曲として世間では知られている「私はピアノ」ですが、実はカバー曲だったことを存じ上げている方は多くないかもしれません。

 原曲はこの“国民的バンド”のアルバムの中の1曲でした。

 今年、デビュー45周年を迎えたサザンオールスターズが、1980年に発表した通算3枚目のオリジナルアルバム、「タイニイ・バブルス」に収録されている1曲でした。

1980(昭和55)年に発表されたタイニイ・バブルスのジャケット

 サザンverの「私はピアノ」ですが、キーボードを担当している原由子さん(通称:原坊)が初めてリードボーカルを務めた曲として、サザンファンの間でも人気のある曲です。

 サザンのライブでは、原さんがメインボーカルを務める曲が1曲はセットリストに入っているのですが、「私はピアノ」はなかなか歌わない曲なので、希少性の高い曲の1つです。

高田みづえverとサザンverの違いは?

 両親の影響もあってかずっとサザンverを聴いて育ちました。初めて高田みづえverを聴いた時、個人的にどこか味気なさを感じたのを覚えています。分かりやすく例えるなら…

高田みづえverはあっさり醤油ラーメン、サザンverはこってり豚骨ラーメン

 なぜ、そう思ったのか実際に聴き比べてみましょう

 

 

 

 高田verは“ザ・歌謡曲”というイメージで、万人受けしやすいような印象を受けます。もっと言うと、味気がなくあっさりしている…王道の東京ラーメン、あっさり醤油ラーメンのような印象…

 サザンverは、2番のAメロの後の原さんと桑田佳祐さんをはじめとした、その他のメンバーとの掛け合いに代表されるように、原さん自身のピアノのプレイや、その他のメンバーのプレイにも各々のこだわりが垣間見えます。プレイのこだわりが、曲全体のクセに繋がり、どこか好みの分かれるこってり豚骨ラーメンのような印象を受けました。

まとめ

 昨今、TikTokなどのSNSでも昭和の曲や平成初期の曲のカバーverがバズるようになりましたが、「実際に原曲を聴こう!」という所までは行かない印象を受けます。

 ですが、実際に原曲を聴いてみて「このverの方が好きかも!」、「このアーティストは他にどんな曲があるんだろう?」と深掘りして、新しい音楽を発見する機会になるかもしれません。

 特に、原曲がバンドグループの場合、各々のパートのプレイヤーのこだわりやクセが垣間見えたりするのでそういった部分にフォーカスするのも面白いかもしれません。

 皆さんも、カバー曲の“沼”にハマってみてはいかがでしょうか?

 

 

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