本当に面白いTVコンテンツだけを表彰する「昭和ポップスギャラクシー賞」

プレゼンのニューウェーブこと百井拓未です。

まずこれだけ言わせてください。

ブログ投稿するなら自分にしか書けないオリジナリティーあふるる面白い視点のものを書きます。

なのでご期待ください。

今回のテーマは「昭和ポップスギャラクシー賞」。

私はテレビのバラエティー番組やお笑い番組が好きで20年以上ずっと見ていますが、その中でも昭和ポップスにまつわる企画や、昭和の歌手が活躍する企画の中で、

・これは神回だった

・これは画期的で斬新な企画だった

・こんな企画他の番組では絶対見られない

・これなら昭和ポップスや昭和歌手を好きになってもらえそう

・昭和ポップスや昭和歌手の新しい楽しみ方を提示してくれた

と本気で思ったテレビコンテンツを「昭和ポップスギャラクシー賞」として時系列順に表彰したいと思います!

※ちなみに本家のギャラクシー賞とは、日本のラジオ・テレビ放送において放送批評懇談会が質的に優秀な番組・個人・団体を顕彰するものです。つまり選ばれたコンテンツは独自性・批評性に富んだ良質で面白いコンテンツといえます。

※なお今回は、私も含め俱楽部メンバーが出演したテレビ番組は対象外にしています。「○○さんが出てた番組は選んでるのに△△さんの出てた番組は選んでない!」ってならないようにするためです。倶楽部メンバーと忖度なしでこれからも仲良くしたいですもん。

受賞番組1:「NHK歌謡コンサート 歌おう!カラオケ名曲選」(NHK 2015.5.12 O.A.)

「NHK歌謡コンサート」は1993年から2016年まで放送されていた公開生番組。2024年2月現在は後継番組として毎週火曜日夜に「うたコン」が放送されています。

その中でもリアルタイム視聴して衝撃を受けた神回が、「歌おう!カラオケ名曲選」。

なんちゅーか、衝撃的な見どころが多すぎたんです。

その内容を3つにまとめます。

見どころ①:他番組では絶対実現しない出演陣

まずこれ。水谷豊、五木ひろし、クマムシが同じ画面に映ることってないっしょ。

というかこんな共演誰が予想できただろ…。

クマムシが歌ネタで大ブレイクした2015年だからこそ実現したメンツでした。

これだけでも十分すぎる見どころ。

見どころ②:水谷豊の「あったかいんだからぁ♪」ポーズ

カラオケで人気の歌を特集した当回。クマムシはもちろん「あったかいんだからぁ♪」を歌いました。

その途中にカメラに抜かれた豪華歌手たちが「あったかいんだからぁ♪」ポーズをする場面があります。

そこであの水谷豊さんもやってました。

こんな場面他では見られないっしょ…?てか結構かわいいよね。

見どころ③:五木ひろしのランニングマン

いちばんの衝撃シーン。

番組中盤では五木ひろしさん・山内惠介さん・クリスハートさん・純烈のメンバーが三代目J Soul Brothersの『R.Y.U.S.E.I.』を歌うという謎のタイムテーブルがあり、あの御大・五木ひろしが多少顔を引きつらせながらランニングマンを踊り切るという神場面が放送されました。

ちなみにこの放送以降、五木さんはほかの番組でも何度かランニングマンを披露しています。

五木さんの新しい扉を開いた神回でした。

このようにかなり見どころが多すぎて、これ見た日の夜は満足度が高すぎてその余韻に2時間くらい浸ってました笑

二度と実現しない番組内容だったと思うし、初めて見た時の衝撃は今も忘れられません。

受賞番組2:「クイズ☆スター名鑑 ヒロシ&キーボーヒロシのヒロシ」(TBS 2017.1.22 O.A.)

「クイズ☆スター名鑑」は2016年10月から2017年1月までわずか7回しか放送されなかったTBSの番組。もともと「クイズ☆タレント名鑑」(2009~2012)という番組があり、そのリメイク版でした。

演出を担当したのはTBSの藤井健太郎さん。2024年2月現在は「水曜日のダウンタウン」の演出も務めており、番組内のギミックや悪意がテレビファンの間で人気のテレビディレクターです。

受賞の決め手となった企画は「芸能人!このオファー引き受けた?引き受けなかった?クイズ」。普通に考えれば引き受けてくれなさそうなオファーを引き受けてくれたのかどうか予想するクイズです。

その中でヒロシ&キーボーのヒロシさんが、お笑い芸人のヒロシさんのネタをするVTRが放送されました。これが面白かった笑

この衝撃の第一声から始まったネタの内容は、キーボーさんの万引き(2016年)をいじったもの。

ヒット曲『3年目の浮気』の歌詞に引っ掛けて、

と次々繰り出されるフレーズにただただ笑いっぱなしでした。

往年の歌手が問題を起こすとSNSでは曲名や歌詞に引っ掛けたイジリ投稿がある程度出てきますよね。そういう投稿って大概おもんないものです。

ですがこの企画ではまさかのヒロシさん本人が本気で自虐ネタに取り組む潔さ・かっこよさが出ており、面白いだけでなく感動すら覚えた神回でした。

よくキーボーさんも許可したよね

受賞番組3:「五木先生の歌う!SHOW学校 香川県多度津町」(NHK 2017.3.25 O.A.)

「五木先生の歌う!SHOW学校」(2015~2018)は先生役の五木ひろしさんに振り回されながら、クラスメイト役の演歌歌手やお笑い芸人が歌謡曲を学んで歌っていく音楽バラエティーショー。往年のドリフの学校コントを彷彿させるどこか昔懐かしい感じのする公開収録番組です。

台本やリハーサルを無視して即興で生徒に無茶ぶりするという五木先生の暴走も楽しめます。演歌歌手と共演することが多い五木さんでも、お笑い芸人と共演している場面はなかなか見られません。過去にスピードワゴンの井戸田潤さんが出演した時、五木さんは全力で「ハンバーーーーグ!!!」と叫んでました笑

あと別の回ではランニングマンもやってました(好きかよ)。

今回受賞したのは香川県多度津町で収録した回。

先述の「NHK歌謡コンサート」と同じく見どころが多すぎるレア回でした。

見どころ①:盟友・西川きよしとの掛け合い

当回のスペシャルゲスト(転校生)は西川きよしさん。ある意味「ヒロシ&キーボー」と言えなくもない五木・西川コンビはデビュー当時からの付き合いだそうで、オープニングでは往年のやすきよの衣装で漫才を披露。そこでも五木さんはリハーサルとは違うアドリブを連発し、きよしさんが苦言を呈していました。

見どころ②:上島竜兵とのキス

よく五木さんOKしたな…こんなノリの良い人なんだ…と思わせてくれる一幕。生徒の上島竜兵さん・肥後克広さん・とにかく明るい安村さんという謎メンツが『日本全国酒飲み音頭』を歌った後に五木先生と上島さんがケンカし、その後キスで仲直りするおなじみの展開をまさかの披露。

「歌う!SHOW学校」に累計3回出演した上島さんは3回とも五木先生とキス。しかも上島さんが生前最後に生キスした相手は、なんと五木さんだったそう。この番組がなければこんなエピソード絶対生まれなかったよなあ…。

見どころ③:松本明子が伝説のデビュー曲披露

生徒役のゲストには松本明子さんが出演。しかもあの『♂・♀・Kiss』を生歌唱。

当時のスタ誕の司会がきよしさんでした
ちゃんとその事件についても触れます

NHKで、しかも夕方(18:15~18:45放送)に聞けるというのが奇跡すぎて……そしてシュールすぎて……。

出演者の今じゃなかなか見られない個性や一面を次々と引き出し、しっかり全員が際立つという番組構成。だからこそ、濃すぎる見どころをこれでもかと詰め込んだ神回ができたんだと思います。満足感と贅沢感でお腹いっぱいにしてもらいました。

受賞番組4:「水曜日のダウンタウン 吉幾三の『俺ら東京さ行ぐだ』と同じ状況の村 現存する説」(TBS 2017.5.3 O.A.)

「水曜日のダウンタウン」は2014年から放送されているバラエティー番組。芸能人が持ち寄る「説」を検証する、というフォーマットのもと様々な企画が放送されています。演出は先述の藤井健太郎さんが担当。過激で炎上する企画も多いことから、令和で唯一コンプライアンスと戦っている番組と評されることもあります。

ちなみに2024年2月現在、本家ギャラクシー賞をなんと5回も受賞している番組でもあります。

これまで放送された膨大な説の中でも今回取り上げたいのが、「吉幾三の『俺ら東京さ行ぐだ』と同じ状況の村 現存する説」。

『俺ら東京さ行ぐだ』の村といえば、テレビがない、ラジオがない、車はそれほど走っていない、などの特徴がありますよね。

それらの特徴と全く共通している村は果たしてあるのか…?日本全国の183の村を調査し、歌詞のシンクロ率をランキングで紹介する企画でした。

1位となったのは、鹿児島県三島村。

歌詞と合致している項目には〇、歌詞と違う項目には×が

でも日本の村だと「俺らの村には電気が無ェ」な村はさすがに存在せず…。

そこで対象範囲を世界に広げ、ケニアのサマリア村を調査するとシンクロ率は驚異の77%。

そしてサマリア村を紹介する替え歌では、サビの部分で

とグッとくる展開も。

テレビもない、ラジオもない、そして電気もない村は私たちからすればかなり不便に思えますが、だからこそ先進社会特有の余計なわずらわしさがない。生活が便利になるほど大事なものを見落としていく……そんな文明の功罪すらも考えさせられる内容でした。

『俺ら東京さ行ぐだ』はテンポの良さや歌詞の面白さからZ世代にも幅広く認知され、ネット上ではこの曲をモチーフにしたSNS投稿やMAD動画がいっぱいあります。

一方でこの説は、歌詞の内容と同じ村はあるのかという誰も調べたことのなかった疑問をベースに、歌詞シンクロ率という独自の指標を採用して調査したというところに独創性があり、現地の映像から日本や世界の村の様子を知れるという興味深さもありました。

受賞番組5:「テレビ千鳥 宮迫さんのラヴ・イズ・オーヴァーをちゃんと聴きたいんじゃ!!」(テレビ朝日 2023.9.14 O.A.)

「テレビ千鳥」はお笑いコンビ・千鳥が毎回様々な企画に挑戦していく深夜の30分番組で、特番時代を含めると2018年から放送されています。

総合演出は「ロンドンハーツ」「アメトーーク!」「霜降りバラエティ」「有吉クイズ」なども手掛けている加地倫三さん。バラエティー界で名を馳せる人物です。

TBSが藤井さんなら、テレ朝は加地さんですね。

その中でも昭和ポップスギャラクシー賞だと思うのが、「宮迫さんのラヴ・イズ・オーヴァーをちゃんと聴きたいんじゃ!!」という企画。ゲストはケンドーコバヤシさんと原西孝幸さん。

元雨上がり決死隊の宮迫博之さんの十八番といえば、欧陽菲菲『ラヴ・イズ・オーヴァー』。これまで「行列のできる法律相談所」などで何回も披露されてきました。

しかし、あまりにも歌が上手すぎて、(というかカッコつけ感が前面に出すぎて)、聴き手が思わずニンマリしてしまう宮迫さんの歌。そこで笑わずにフルコーラス聴くチャレンジをしよう!という企画でした。なので誰かが途中で笑ったらまたイントロからやり直し。宮迫さんの独特すぎる歌い方に出演者は何とか笑いをこらえようとします。

※ただし宮迫さん本人は出演せず、YouTubeのカヴァー動画の音源のみを流してのチャレンジでした。

2019年の闇営業問題以降テレビに出ていない宮迫さんの音源だけ流れるというシュールな状況、音源だからこそはっきりと伝わる歌い方のクセ、それに笑ってはいけないという空間、そこで笑いをこらえている出演者の顔……。

吹き出した一同

初めて見たとき本当腹ちぎれました。記憶を消してもう一回見たいと心から思います。

出演者が『ラヴ・イズ・オーヴァー』1曲を聴くだけ。予算は出演料・セット代・衣装代くらい。それでも30分番組が成立し、しっかりと面白い。

『ラヴ・イズ・オーヴァー』の楽しみ方といえばカラオケで熱唱することだと思いますが、他人のカヴァーを笑わずに聴くという新しい楽しみ方を提唱してくれた回でした。

『ラヴ・イズ・オーヴァー』は本来別れの歌なので聞くと悲しい気持ちになるはずです。

このO.A.の2ヶ月前、私は北海道の交際相手に縁を切られてしまいました。その後は『ラヴ・イズ・オーヴァー』を聴くたび涙が出ていましたが、このO.A.以降は聴いても涙が出なくなり、それどころか笑うことさえできたくらい立ち直れました。

笑いの力って本当すごいよね。

以上、昭和ポップスギャラクシー賞全5作品でした。

皆さんにとって昭和ポップスギャラクシー賞をあげたい番組は何ですか?

6件のコメント

  1. 先ほどの交流会の二次会で聞いて今更ながら拝見しましたm(_ _)m

    歌謡コンサートやうたコンってたまに大物の歌手を使って贅沢な企画をしてますよね笑
    この回より後だったと思いますが、私も五木ひろしのランニングマンをリアルタイムで観てました!

    あと翌年のうたコンになった後の番組で、五木ひろしがグラサンかけてPerfect Human歌ってたりもして、こういう番組はなかなかないなと思いますね

    1. 夜遅くにありがとうございます!!

      五木ひろし版のPerfect Human、ネットで見てみましたがこっちも破壊力えぐいですね笑
      「We live in Tokyo」の部分の五木こぶしポーズランニングマンは腹抱えて笑いました笑

      こういうNHKの攻めた演出良いですね!!

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